愛する人への弔いの思いを歌った楽曲「ハッピー」。家族を誰よりも大切に思ってきたあいみょんが、家族が亡くなったことを思って書いたといいます。
あいみょんにとって家族の死とはどのようなものなのでしょうか。歌詞を深堀りしながら考えていきたいと思います。
目次
どんな曲?
まだ聴いたことがない人は…
出典:Happy
楽曲詳細
リリース日&収録
2017年5月3日発売 2ndシングル「愛を伝えたいだとか」カップリング曲
曲の長さ
4:07(イントロ 0:19)
視点
あいみょん
タイアップ
–
テーマ
この曲のテーマは、「最愛の人の死」です。
最愛の人が亡くなり、遺体を前に最後のお別れを故人に伝えています。(厳密には、という事をあいみょんが想像して歌詞を書いています)
歌詞の意味を深堀り!
ここからは、「ハッピー」の歌詞について(部分的に区切っていきながら)迫っていきたいと思います。
Hey, are you happy now?〜
Hey, are you happy now? 問いかけてみたけれど
You 黙ったままで 目を閉じているんだもの
Hey, you. I really love you. 言わなくても分かるかな?
Kiss キスがしたいわ その白く柔らかい頬に出典:「ハッピー」作詞あいみょん
「ねぇ、今幸せ?」と問いかけてみるけど、貴方は黙ったまま目を閉じている。
「貴方のことを心の底から愛していたわ」「言わなくても分かるかな?」
「貴方の頬にキスがしたいわ」
私はまだこういった経験がありません。実際に大切な家族や友人が亡くなって、目の前で目を閉じていたらどんな心境になってしまうのか、考えるとちょっと不安です。
私の顔を覚えているかな〜
私の顔を覚えているかな 何度も泣いたの 見えてるかな
出典:「ハッピー」作詞あいみょん
「私の顔を覚えているかな 何度も泣いたの 見えてるかな」と、目を閉じたままの相手に語りかける。
白い花を そっと添えるから〜
白い花を そっと添えるから 私の涙も一緒に連れていって
出典:「ハッピー」作詞あいみょん
白い花を横にそっと添える。貴方と一緒に私の涙も連れて行って欲しい。
ねぇ、今とても退屈じゃない?〜
ねぇ、今とても退屈じゃない?
そんなところにいるんだもの
Sorry 笑わせてよ 人は本当にあっけないよね出典:「ハッピー」作詞あいみょん
「そんなところにいたら、とても退屈じゃない?そんなことしてないで私を笑わせてよ」「終わってしまうと、人は本当にあっけないもの」
その後、”人はあっけなく死んでしまう”という少し残酷なテーマにも踏み込んでいます。ここは、あいみょんが普段から死というものに対して非常に敏感に感じ取っているからこその表現ではないでしょうか。
生まれた時からこの時が来ることは〜
生まれた時からこの時が来ることは
決まっていたのに 必死に愛し合った(中略)
出典:「ハッピー」作詞あいみょん
生まれた以上死ぬことは決まっているけれど、お互いに必死に愛し合った。
白い花に 包まれたあなたは〜
白い花に 包まれたあなたは まるで 天使のように 高く舞い上がるの
出典:「ハッピー」作詞あいみょん
白い花に包まれた”貴方”は、天へ昇っていく。
まとめ
人はいつか必ず死ぬ
普段生きていると”死”というものは普段意識しないですが、こういった楽曲をきっかけに一度立ち止まって考えることが出来ます。
特に大切な家族や友人となると、より一層触れたくない話題でもあります。でも、人はいつか必ず死ぬのです。大切な存在を失ってからあれこれ考えるより、今のうちに出来ることを可能な限りやっておくというのもいいかもしれませんね。
ハッピーという曲を聴いて、自分の中で少しだけ”死”というものがネガティブなイメージだけではないものになった気がします。
おまけ:あいみょんの言葉
──あいみょんはYahoo!ニュースをチェックするのが日課なんですよね。
そうなんです。とにかく「今何が起きているのか?」が気になるんですよね。この前テレビを見ていたら平成に起きた事故や事件の中で報道回数が多いニュースが紹介されていたんですけど、1位はやっぱり東日本大震災でした。私が生きてる時代に起きた事件は知っておきたいなと思っています。だからほんまにちょっとしたことでもニュースが気になって仕方ないんですよ。
──目をつぶりたくなるような現実もあると思うんですが、そういうものもあいみょんはちゃんと見ていきたいですか?
はい、全部見ていきたいです。悲しいニュースを見て、私がテレビの前で泣いたって何かが変わるわけじゃないんですけど、そういう悲しい思いをしてる人と何か共有できるものがないのかなとついつい考えてしまうんです。ここまで他人の死に対して苦しくなる私は、自分の家族が亡くなったらってどうなってしまうんやろうって思いますね。いつも死について考えると、自分の家族を亡くさないためには自分はどうしたらいいのかっていう考えに至ります。具体的に言うと、実家を早く耐震工事しないと、とか。
──シングルカップリングの「ハッピー」は亡くなった人を送る歌ですよね。
家族、友達、ペットとか大切な人が亡くなったときを思って書いた曲です。今回そのターゲットになったのはおばあちゃんなんですけど、まだ元気でピンピンしてます(笑)。でもやっぱり死っていうのはいつ訪れるかわからないものだなと思うんですよ。この前テレビでやっていた熊本地震で被災した方たちのドキュメンタリーを観ていたら、21歳の男性が唯一生存確認ができていないっていう話を番組で特集していて。東日本大震災の印象が強くて、熊本地震の話って少し埋もれがちだと思うんです。被害者は東日本大震災より少ないかもしれないですけど亡くなっている人がいるっていうのは事実じゃないですか。急に命を失った人がそこにもいたことを意外とみんな知らんのやろうなとか考えちゃいますね。
出典:音楽ナタリー