「ら、のはなし」とともに映画「あした世界が終わるとしても」のテーマソングとして、主人公の目線で書き下ろされた楽曲「あした世界が終わるとしても」(映画と同名のタイトル)。
一体、主人公のどんな思いが描かれているのでしょうか。早速、歌詞を深堀りしていきましょう!
【ネタバレ注意】映画「あした世界が終わるとしても」あらすじ
まだ幼い真は、母親に手を引かれ歩いていた。晩御飯は真の好きなハンバーグに決定。その時突然、母親が倒れた。突然死だった。悪夢から目覚めた真は、高校生になっていた。母親の死後、父は家に帰らず研究ばかりで、真はそんな父とすれ違いの日々。自分のことも父親のことも、将来のこともどこか冷めた態度の真。そんな真を心配してくれるのは幼なじみの琴莉だった。琴莉の父は、真の父の上司でもあった。研究に打ち込む真の父親に変わり、真のことも面倒をみてくれた。親同士の関係もあり、真と琴莉はお互い素直になれない関係を続けていた。
高校生生活も残りわずか。真はようやく琴莉をデートに誘う。喜ぶ琴莉。「僕はキミのことが…」真の告白の途中で、琴莉の携帯が鳴る。シンクロする、死刑台の男の姿。それは真の父親だった。「この日本をやり直そう!」琴莉そっくりな公女が叫び、歓喜する民衆。この世界はいったいどこなのか?琴莉の電話は父親からのものだった。真の父親が突然死したという連絡。近年増加し続ける突然死は、日本でも問題になっていた。その原因は、思いもよらない相対世界にあった。別の日本国の存在だ。
世界大戦後、世界は2つに分裂。この世界と相対するもうひとつの世界「日本公民共和国」が存在していた。2つの世界には相対する相手が存在し、どちらかが死ねばもう片方も死ぬ、命のリンクが存在。日本公国はもうひとつの日本の消滅を目論んでいた。日本公国の公卿たちは自分たちの人形となる公女を操り、独裁政権を行っていた。父親の突然死にさらに心を閉ざしてしまった真の前に、自分そっくりな顔のジンが現れる…
出典:Cinemarche
出典:『あした世界が終わるとしても』本予告90秒
目次
どんな曲?
まだ聴いたことがない人は…
まだ聴いたことがない人は、ぜひ一度実際の楽曲を聴いてから歌詞の意味をご覧ください!きっとあいみょんの世界観に引き込まれていくことでしょう。
楽曲詳細
リリース日&収録
2019年2月13日発売 2ndアルバム「瞬間的シックスセンス」
曲の長さ
4:23(イントロ 0:00)
視点
映画「あした世界が終わるとしても」主人公・挟間真
タイアップ
映画「あした世界が終わるとしても」主題歌(書き下ろし)
テーマ
この曲のテーマは、「”大切な人だけは守る”という決意」です。
頼りない自分では自分自身を守るのが精一杯だった。でも、大切な人を守ることくらいは最低でもできる人でいたい。そんな主人公の気持ちを描いた楽曲となっています。
歌詞の意味を深堀り!
ここからは、「あした世界が終わるとしても」の歌詞について(部分的に区切っていきながら)迫っていきたいと思います。
今日も生きているのです 〜
今日も生きているのです
僕は僕の守り方をようやく 知ったのです出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
”僕”は今日も生きている。その中で自分自身の守り方を知った。
退屈な現状それと愛情〜
退屈な現状それと愛情 感情、どうしよう
いつまでたっても定まらないよ 僕は僕なのになぁ
大切な人も恋も愛も 性も、どうしよう
いつまでたっても守りきれないよ いつかは消えてしまう出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
変えたくても変えられない現実。それに悩む”僕”。何をしたいのか、自分の軸も定まっていないことに少しの焦りや苛立ちを感じている。
そんな自分が大切な人を守れるわけもなく、日々は過ぎていく。そして、その生命はいつかは消えてしまうんだ。
劇中で大切で好きな人に告白すら出来ないでいる主人公の気持ちを、あいみょんならではの解釈で描いている部分です。
ここから繋がるサビでも、”君”への思いやその素直な気持ちを描いています。
やはり僕は1人では 〜
やはり僕は1人では
抱えきれないものばかりで
強くなれない身体に 強さを求めて出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
自分ひとりで解決できる問題は限られていて、むしろ抱えきれない問題で溢れかえっている。いつまでたっても強くなれない自分と強くなりないと願う自分。
この頼りない翼広げて〜
この頼りない翼広げて 迎えに来たんだよ
会いに来たんだよ 今はまだ飛べない鳥だけど
最低でも、君だけは守れるように出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
こんな何も出来ない”僕”だけど、君だけは守りたい。迎えに行きたい。今はまだ未熟者だけど、その気持は誰よりも持っているつもり。
憂鬱なモーニング〜
憂鬱なモーニング それとスローに変わり始めた
いつまでたっても笑えないなぁ
世界が腐りそうなんだ出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
迎えてほしくない朝。でも、少しずつ変わり始めている。
このまま世界が終わってしまうのだろうか、いつになったらまた笑えるようになるんだろう。
悲しい物語なんて〜
悲しい物語なんて 幼い頃に聞き飽きたよ
優しい誰かの囁きで 涙が出た今出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
悲観的な言葉はもう聞き飽きた。未来をどうするか、それが問題なんだ。
「優しい誰かの囁き」とは”君(ヒロイン)”の言葉でしょうか。”僕”は少し勇気づけられ、決意したようです。
もう隠せない何かを抱え〜
もう隠せない何かを抱え 迎えに行くんだよ
会いに行くんだよ 今はまだ伝えられないけど
最悪でも、僕だけはここにいるから出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
もう言い訳なんかせず、君を迎えに行こう。今はまだ気持ちを伝えられないかもしれないけど、今会いに行くよ。
もし仮に会いに行けなくても、”僕”は君をここでずっと待ち続けているよ。
失うものが君だとしたら〜
失うものが君だとしたら 僕が世界のどこかに
君だけの居場所をつくってあげる
失うものが僕だとしたら
僕が君を守れたという 証拠になるでしょう(中略)
出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
もし、”君”を失ったとしても、君だけの居場所を作るから安心していいよ。
もし、”僕”が失われたら、それはそれで”君”を守れたということになるから何も恐れることはないよ。
僕は僕の守り方を知りました〜
僕は僕の守り方を知りました
そして君の側にいると決めました出典:「あした世界が終わるとしても」作詞あいみょん
自分を守るということは、イコール”君”を守るということなんだ。そして君に逢えたなら、君の側から離れることはない。ずっと一緒にいるよ。
まとめ
大切な人を”守りたい”と思えることの意味
あいみょんもインタビューで語っていますが、ここでは「大切な人を”守りたい”と思える意味とは」というメッセージが込められていると感じました。なぜこの人を守りたいと思ったのか、守ることの意味とは、守った先にあるものとは…など、様々なテーマが描かれているのではないでしょうか。
主人公である挟間真が心の根底で思っている感情を、描ききった楽曲だと言えると思います。
おまけ:あいみょんの言葉
-具体的なキーワードはあったんですか。
私としては、『あした世界が終わるとしても』というタイトルだったりとか、もう一つの世界と実際の世界の差とか、あと、人を守りたいと思えることの意味とか。そういうものをキーワードに曲を書けたらいいかなと思いましたね。完全に、真(主人公・挟間真)のことですね。2曲(「あした世界が終わるとしても」と「ら、のはなし」)とも。
私に頼んでくださるということは、私らしさというものを求めてくださってるのかな?ということを読み取りつつ。かといって、私の色を出しすぎてしまうと、作品が歪んでしまう気がするので。いかに作品に寄り添いながら、いい塩梅で楽曲を作るか?というのが、監督が作る作品に対する礼儀やと思いながら作っていきました。邪魔しすぎないということを、特に挿入歌に関してはそういうイメージで。やっぱり映像がメインの中でかかってくるので。主題歌は主題歌として、ドンと構えてよかったんですけど。そういうことは考えてました。
-<最低でも、君だけは守れるように>というあそこは、すごく耳に残るフレーズです。
真は直接、映画の中でそういうことはまったく言ってないんですけど。私なりに、真の本当に心で思っていそうな、イメージなんですけど。自分を失うことがあっても、最低でも琴莉(ヒロイン・泉琴莉)だけは守れたら、という気持ちを、なんとか曲で表現できたらと思ってました。
出典:SPICE