とにかく怪しげな空気感が漂って、耳に残るサウンドが癖になる8枚目のシングル「真夏の夜の匂いがする」。
ちなみに、ジャケット写真であいみょんと抱き合っている男性はマネキンなのでご安心ください(は?)。実は、MVのショートバージョン【very short movie】を観るとよく分かりますよ。
目次
どんな曲?
まだ聴いたことがない人は…
まだ聴いたことがない人は、ぜひ一度実際の楽曲を聴いてから歌詞の意味をご覧ください!きっとあいみょんの世界観に引き込まれていくことでしょう。
出典:あいみょん –真夏の夜の匂いがする【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
出典:あいみょん – 真夏の夜の匂いがする【very short movie】
楽曲詳細
リリース日&収録
2019年7月24日発売 8thシングル「真夏の夜の匂いがする」
2020年9月9日発売 3rdアルバム「おいしいパスタがあると聞いて」
曲の長さ
3:53(イントロ 0:09)
視点
女性
タイアップ
ドラマ「Heaven?~ご苦楽レストラン~」主題歌(書き下ろし)
テーマ
この曲のテーマは、「恋の進め方に悩む女性」です。
気になる男性に対して”危険な香り”を感じながらも、その魅力から抜け出せなくなってしまっている女性。「こういう時は考えても仕方がないから、突き進んでみよう!」という決断をくだした彼女。
歌詞の意味を深堀り!
ここからは、「真夏の夜の匂いがする」の歌詞について(部分的に区切っていきながら)迫っていきたいと思います。
真夏の夜の匂いがする〜
真夏の夜の匂いがする 絵の具のソレと同じ香り
さまざまな色恋も踊りだす 今夜は私もその一人?真夏の夜の匂いがする 私には分かる危険な香り
いろいろな問題も溢れ出す 今夜も帰路にて頭を冷やすもっと自由に グラスを片手に
人生を謳歌 人生を歌おうか 「そんなことできたらなぁ」出典:「真夏の夜の匂いがする」作詞あいみょん
ジメッとした真夏の夜。絵の具と同じような、なんとも言えない独特の香りで満ちている。そんな空気の中、様々な恋が渦巻いている。今夜、私も恋をしてしまうだろうか。
なにやら「危険な香り」がする真夏の夜。彼女は何かを察知したのでしょうか。恋人と喧嘩をしてしまったのでしょうか。問題が色々と発生して、どうやら帰路についている様子。彼女は一旦冷静になろうと、頭を冷やす。
男性との関係がうまくいかない彼女。「もっと素直になって人生を楽しむことができたらなぁ」そんなふうに感じている様子。
真夏の夜の匂いがする〜
真夏の夜の匂いがする 偉そうに睨む魔物がいる
有耶無耶な地図で惑わされる 迷子の迷子の子猫になるああ 気付けばほら 踊らされる 癖になってる
抜け出せない出典:「真夏の夜の匂いがする」作詞あいみょん
「偉そうに睨む魔物」とは彼のことでしょうか、それとも暗闇に隠れる危険な何かでしょうか。危険な香りがする彼ですが、どうにかならないものかと考えてみるものの、良い策は出てこない様子。「有耶無耶な地図」という表現で、彼女がどこに向かって良いのか自分はどうしたらいいのか、全く分からなくなっている状態を示してますね。完全に迷子になってしまっています。
彼のことを考えれば考えるほど、深みにハマって抜け出せなくなっていく。これは彼の策略なのでしょうか。気がつけば完全に踊らされている。そして、そんな彼が癖になっていることに気がつく。もう抜け出せそうにない。
天国か地獄か わからない道をいこう〜
天国か地獄か わからない道をいこう
振り切って進んでいこう
簡単じゃないからハマっていくんだろう
恋も金もこの人生も出典:「真夏の夜の匂いがする」作詞あいみょん
進んだ先は天国か地獄か。これは進んでみた者にしか分からない。だから考えていても仕方がない。色々と考えてしまうけれど、そんなものは振り切って進んでいくしかない。
簡単じゃないからこそ、ハマってしまうものなのだろう。恋も、お金も、人生も。
「Heaven?~ご苦楽レストラン~」というドラマの名前から「”天国”か地獄か」というワードを思いついたそうです。
根拠のない台詞に騙されたら最期〜
根拠のない台詞に騙されたら最期
最高の財宝がきっとここにあるはず
フラつく脚が不思議とお菓子な家へ
快楽へと ご苦楽へと 吸い込まれていくああ 気付けばほら
脳味噌の中に溶けていく いとおかし出典:「真夏の夜の匂いがする」作詞あいみょん
”最後”ではなく”最期”というところも注目ですね…彼女にとっては、命がけの選択ということでしょうか。
「最高の財宝」「お菓子な家」という言葉で、辿り着く先が快楽と極楽(ご苦楽というタイアップドラマの名前とかけています)だということを表現しています。
危険だと分かっていながらも、快楽という名の快感には逆らえず体が吸い込まれていくように導かれていく。
そして気がつけば「脳味噌の中に溶けていく」。つまり、脳内の考えはそれ一色になってしまっている状態。
天才か?真逆か?〜
天才か?真逆か? 分からない未知の人
ふざけんな もうどうしよう
完璧な答えが出ないまま行くんだろう
愛も価値もこの人間も出典:「真夏の夜の匂いがする」作詞あいみょん
ここまで私を惑わすなんて、まさか彼は天才なのか、それとも天然でやっているだけ(バカ)なのか。全く予想がつかない未知の人物。
このまま考えていても埒(らち)が明かない。やはり、明確な答えを出すのは難しいから、進んでみるしかない。
かと言って裏切れなかったんだ〜
かと言って裏切れなかったんだ
可も不可もなくここに立った
真夏の夜の匂いが誘った私の身体
「いらっしゃい」ほらまた聞こえた出典:「真夏の夜の匂いがする」作詞あいみょん
彼に近づかないという選択肢もあった。けれど、ここで彼(はたまた自分の本当の気持ち)を裏切ることは出来なかった。どっちつかずになっている自分。
「真夏の夜の匂い」が再び”私”を「こっちにおいで」と誘惑している。
まとめ
暑さと湿気を孕んだ空気感
この楽曲はドラマの書き下ろしのため、ドラマの内容を理解していると「この人物のことを言っているのかな?」「このシーンのことを描いているのかな?」と楽しむことも出来るので、興味のある方はドラマもぜひご覧ください。
また、歌詞の内容としては、この恋の行く末はいったいどうなっていくのか気になって仕方がない展開でした。今回の作品は、自分と重ねてみるというよりは「空気感を楽しむ」という印象。ジメッとした夏の暑さと湿気、そして何やら不思議な空気感ただよう男性。
想像力が豊かな人ほど楽しめる作品と言えるのではないでしょうか。
おまけ:あいみょんの言葉
今年の初めに石原さんと番組でご一緒させて頂く機会があり、その後ライブにも足を運んでくれて、是非また一緒に何かできたら嬉しいな。と思っていた矢先に、石原さん主演のドラマ主題歌の書き下ろしのお話を頂いて、純粋に嬉しく思いました。
今回石原さんが演じる、黒須仮名子は破茶滅茶だけど、何故かクセになる放っておけない人物。
「真夏の夜の匂いがする」もそういうクセのある存在で、聴く誰かの身体に、耳に、目に残って、抜け出せないものになればと。楽曲の中を彷徨わせたいです、ズブズブに。是非、楽しみにしていて下さい。
絵の具使ったあとの乾燥したパレットあるじゃないですか。あれ、夏の匂いやなと思っているので、〈絵の具のソレと同じ香り〉、そっからバーって書いて、ドラマが「Heaven?~ご苦楽レストラン~」なので、〈天国か地獄か〉っていうワードも、とか。
「〈ご苦楽〉ってワードももちろん入ってますし、レストランなんて、〈いらっしゃい〉とか〈グラス〉とか、そういうワードはちりばめたくて、そのなかでも、ドラマだけをイメージさせるような楽曲じゃなく、ちゃんとわたしの楽曲としてのイメージもあるような楽曲であればいいなあと思って書いてました。
お墓って感じだと、お化け屋敷?ドラマの中のレストランの横が斎場なので、そういうイメージがあって、夏やのに夜ってちょっと肌寒い、あの感じっていう。空気感的には、そういう場所の夏の歌。
出典:まるごと あいみょん