岡本太郎による美術評論書「今日(こんにち)の芸術」のタイトルの読み方を変えてタイトルにした楽曲「今日(きょう)の芸術」。
”岡本太郎だっらこんな言葉を言いそう”ということを想像しながら、岡本太郎になりきって歌詞を作ったというこの曲。いったいどんな内容なのでしょうか。
ここでは、「今日の芸術」の歌詞について深堀りして考えていきます。これも芸術なの?あれも芸術?と、みなさんも思わず考えてしまうことでしょう。
目次
どんな曲?
まだ聴いたことがない人は…
楽曲詳細
リリース日&収録
2016年11月30日発売 1stシングル「生きていたんだよな」カップリング曲
曲の長さ
4:16(イントロ 0:19)
視点
–
タイアップ
–
テーマ
この曲のテーマは、「芸術とは」です。
何が芸術かは人それぞれ。「何によって芸術になるか」「何をもって芸術なのか」等はやってみないとわからない。そんな深いテーマが込められています。
歌詞の意味を深堀り!
ここからは、「今日の芸術」の歌詞について(部分的に区切っていきながら)迫っていきたいと思います。
ポラロイドカメラを手にした〜
ポラロイドカメラを手にした 高校卒業の春に
嫌いな人と縁を切り これでバンザイ
ハッピーエンドだぜララバイ出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
卒業の日、記念写真を取るためにポラロイドカメラを手に式へと望む。嫌いな人と縁を切れる。なんて嬉しいことだ。これでめでたくハッピーエンドだ。
ちなみに”ララバイ”とは、本来だと「子守唄」という意味。ここではバイバイ(さよなら)という意味とかけているのでは?と思いました。
猫じゃらしで遊ぶように〜
猫じゃらしで遊ぶように 筆をタクトのように振る
好きな人をわざと傷つけ できたものが感動を産んだ出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
指揮者を真似て、タクトに見立てて筆を振る。
好きな人に”好きの裏返しで”傷つけてしまう。
それら全てが結果的にいい思い出となった。
見たもの全てに頷いて〜
見たもの全てに頷いて 見たもの全てを批判せよ
出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
「見たもの全てに頷いて 見たもの全てを批判せよ」byあいみょん
爆発を起こす線を切る〜
爆発を起こす線を切る
それは 赤か 白か イエローか
後ろ指さされたらその手に
花束を持たせてやれ 今日も芸術だ出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
爆弾の導火線「赤か白か黄色」どれを切るか。
周りの人間から後ろ指さされることもあるだろう。そんな時は、そいつの手に花束を持たせてやれ。
自分に対して否定的な人間に対して、否定で返すのではなく逆に花束を送る。そんな発想が高校生の時にあれば、青春時代の考え方も変わっていたかもしれません。
期待なんてしてないさ〜
期待なんてしてないさ そんなもの
すり潰して液体にする
良い事をしたと思えば それはもう優しさじゃない言葉は鋭い刃になれば 歴史を動かすものになる
出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
人や成り行きに”期待”なんてしてはいけない。
「良いことをした」と考えている時点で、それは本当の優しさではない。
鋭い言葉は歴史をも動かく力になる。
「本当の優しさとは、自分が満足を得るためにやるのではなく、本当の意味で人のために尽くすことである」そんなメッセージを感じました。
「世界を変える方法は2つ。戦争とスピーチだ」そんな言葉を思い出しました。言葉は歴史を動かし続けてきました。そんな壮大な意味も感じてしまうくらいなパワーワードでした。
爆発的な歌を歌おう〜
爆発的な歌を歌おう それは愛か 我か 友情か
目の前にあるキャンパスに
何も描かなくてもいい それも芸術だ出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
愛について、自分について、友情について。様々なテーマで爆発的な(感動を生むような)歌を歌おう。
必ずしもキャンパスに何かを描く必要はない。何も描かなくても良い。それが貴方の芸術ならば。
上手くいきすぎる恋愛なんて〜
上手くいきすぎる恋愛なんて
燃え上りもしないだろう
地獄のような修羅場があるから
生々しく愛しあう出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
恋愛は”うまくいかない”から燃え上がるんだろう。地獄のような壮絶な修羅場をくぐったからこそ、本当の意味で愛し合えるのだ。
山あり谷ありの人生の方が〜
山あり谷ありの人生の方が
山にも谷にも行けるだろ
絵の具がそろってちゃ 面白くないだろ(中略)
出典:「今日の芸術」作詞あいみょん
全て満足に何もかも揃っている人生だったら面白くないだろう。人生、山あり谷ありだから面白い。
まとめ
自分の芸術は自分で決めろ
自分の人生を決めるのは自分自身。生きていく上で色んな困難にぶち当たったり、周りから否定されたり、失恋したり色んなことがあるけれど、自分が決めた道を突き進むのみ。
逆に言えば、どの道を進むかは自分で決めなくてはいけない。自分の人生を人任せにすることは出来ない。どんなキャンバスにどんな色を使って描くか、全部自分で決められる楽しさと難しさがありますね。
おまけ:あいみょんの言葉
-では、2曲目「今日の芸術」のお話へ。“芸術とは日常から生まれる”という視点の曲ですね。
私は芸術とは身近なもので、誰でも芸術家になれると思っています。そして、この曲は岡本太郎さんのこともイメージしています。岡本太郎さんの作品も大好きなんですけど、人間性や言葉にも惹かれるんですよ。“こんな考え方ができる人が、この世におったんやな”と。歌詞は岡本太郎さんの言葉を引用した部分もあるのですか?
-岡本太郎さんの言葉は入っていないです。“私が岡本太郎になってやる!”という感覚で、岡本太郎さんが言いそうなことばかりを書いている歌詞です。《見たもの全てに頷いて 見たもの全てを批判せよ》とか、岡本太郎さんが言ってそうですよね。
言いそうだなと思ったことをそれっぽく書いています(笑)。私自身、こうなんですよ。話をしていると“でも”って言いたくなるんです。誰かが違う意見を言うからこそ、他の人からもいろんな意見が出るんだと思います。-“あいみょんって、こういう人なんだろうな”というのをすごく感じる曲です。
今回の3曲の中で一番、私生活、好きなもの、好きな言葉とかが出ていると思います。あと、この曲、私が岡本太郎になり切って書くことによって、“岡本太郎の弱みを握りたい”くらいのことも思っていました(笑)。
-弱み、見つかりました?
まだ見つけられてません。嫌いな食べ物とか、どこかに書いていないかなと思ったんですけど(笑)。
-(笑)。人物に興味を持つタイプのようですね。
はい。私、人間嫌いだと思われるんですけど、人間のことが知りたくて仕方がないんです。あと、偉人のことを調べるのも好きです。今、やなせたかしさんの本を読んでいるところです。「アンパンマンのマーチ」も名曲ですからね。出典:OKMUSiC