切なさと強さが一緒になったようなイントロから始まる「ジェニファー」。聴いた誰もがこの女性は一体誰なのか、モデルはいるのかなど、たくさんの疑問を持ったことでしょう。
そんな謎に包まれた歌詞を持つ「ジェニファー」を深堀りしていきます。
目次
どんな曲?
まだ聴いたことがない人は…
まだ聴いたことがない人は、ぜひ一度実際の楽曲を聴いてから歌詞の意味をご覧ください!きっとあいみょんの世界観に引き込まれていくことでしょう。
出典:Jennifer
楽曲詳細
リリース日&収録
2017年9月13日発売 1stアルバム「青春のエキサイトメント」
曲の長さ
3:44(イントロ 0:20)
視点
男性
テーマ
この曲のテーマは「会えない人への思い」です。
「ジェニファーに会いたい、きっとまた会える」という男性の思いを歌った歌。「彼女は自分のことをどう思っているのか」「忘れてしまってはいないだろうか」など、思いを巡らせます。
歌詞の意味を深堀り!
ここからは、「ジェニファー」の歌詞について(部分的に区切っていきながら)迫っていきたいと思います。
今にも千切れそうな雲は〜
今にも千切れそうな雲は まるで僕たちのようだね
バランスの取れない二人は いつも曖昧で
心の奥じゃ今日も不安定 夢でも見れたらいいけど
くすくすと笑うのはどいつだい?
そこにいるのかい?出典:「ジェニファー」作詞あいみょん
今にも関係が終わりそうな二人。非常に繊細で曖昧な関係の様子。表面には出さないけれど、不安な日々をすごしている。
笑っているの女性はジェニファーなのか、それとも全くの別人なのか。
さよならは言わないでジェニファー〜
さよならは言わないでジェニファー
今もまだ覚えてる 君の胸の中でもいつか
思い出してほしいよ出典:「ジェニファー」作詞あいみょん
どうやら二人は現在、会えない状況のよう。別れてしまったのか、会えない環境になってしまったのか。男性は「離れたくない、ずっと覚えている、思い出してほしい」と願っている。
近所の犬が鳴いたベルで〜
近所の犬が鳴いたベルで 当たり前の朝が来たよ
バランスの取れない体が また吸い込まれる出典:「ジェニファー」作詞あいみょん
ジェニファーがいない中でも、日常は残酷に毎日巡っていく。いつものように、当たり前に朝が来てベッドから起きるけれど、言うことを聞かない体はまたベッドへと吸い込まれていく。
約束を果たそうよジェニファー〜
約束を果たそうよジェニファー 今もまだ覚えてる
君の胸の中ではそうかい? 消えそうに揺れるのかい?
あぁどうか忘れないでいて
千切れそうな雲は明日になれば
繋がるだろう ジェニファー 会いたいんだ出典:「ジェニファー」作詞あいみょん
ジェニファーとの約束を果たしたい彼。ジェニファーは、その約束を覚えているだろうか。二人の関係は今にも無くなりそうなほど細く薄くなってきている。
「千切れそうな雲は明日になれば 繋がるだろう」は、冒頭の「今にも千切れそうな雲は」から続いており、最初はもう(二人の関係が)千切れてしまうかもしれないと思っていたが、きっとまた繋がることが出来るだろうと考え直している様子が分かります。
彼の「会いたい」という気持ちが、考えを前向きにしているのでしょう。
まとめ
あいみょん流『リンダリンダ』
この曲を聴く上で抑えておきたい点のひとつが「ジェニファー」という人物は、いわゆる空想上の人物ということです。あいみょん自身がインタビューでも答えていますが、THE BLUE HEARTSの代表曲「リンダリンダ」同様、聴く人それぞれが心のなかで思い描く人物だということです。
先入観に囚われず、自分だけのジェニファーを思い描いて、ぜひこの楽曲を聴いていただければと思います。
おまけ:あいみょんの言葉
この曲はTHE BLUE HEARTSの代表曲「リンダリンダ」について(甲本)ヒロトさんが語ったインタビューを読んでインスピレーションを受けて書いた曲ですね。「この“リンダ”ってどういう存在なんですか?」っていう質問を受けたヒロトさんが「リンダっていうものはなんでもない存在。名前でもないし人でもない。みんなの想像の中で作り上げていくもの」みたいなことを言われてたんですよ。それってすごくいいなと思ったんです。私がこの曲で歌う「ジェニファー」はヒロトさんが言う「リンダ」と同じで、みんなの中にあってほしい存在と言うか……。
出典:音楽ナタリー