童謡でおなじみの「森のくまさん」ですが、ここでは彼を”森”に例えて、その森に翻弄され彷徨う女性の姿を描いています。童謡「森のくまさん」の歌詞とは全く違った、新しい「森のくまさん」が味わえます。
今回は「森のくまさん」の歌詞について深堀りをしていきたいと思います!
目次
どんな曲?
まだ聴いたことがない人は…
出典:Bear in the woods
楽曲詳細
リリース日&収録
2021年11月24日発売 12thシングル「ハート」カップリング曲
曲の長さ
3:21(イントロ 0:13)
視点
女性
タイアップ
–
テーマ
この曲のテーマは「叶わない、実らない恋」です。
好きな彼を追いかけて追いかけて、でも追いつけない。そんな女性の心の動きを歌詞に乗せています。あいみょん得意の”切ない恋”の歌をご堪能ください。
歌詞の意味を深堀り!
ここからは、「森のくまさん」の歌詞について(部分的に区切っていきながら)迫っていきたいと思います。
初めてそうなった時の事を〜
初めてそうなった時の事を
思い出して死にそうになってる
薄っぺらかったよ全部
すぐに破けてしまうくらいの
薄さで繋がってた出典:「森のくまさん」作詞あいみょん
彼と出会って”初めて”を迎えたその日。その時のことを思い出して、死にそうになるくらい嫌気が差している。薄っぺらな関係だけで繋がっている二人。
朝方乾いたファンデと口紅で〜
朝方乾いたファンデと口紅で
更に抱き合った 死ぬほど愛してる
分厚い心でキスしてる
それくらいの覚悟がないと
また泣くことになるからね出典:「森のくまさん」作詞あいみょん
朝になって乾いているファンデーションと口紅。昨日より更に強く抱き合って、彼への愛を感じる。昨日のような薄い関係じゃなく、もっと分厚い心でキスをする。それくらい愛を注がないと、また泣かされることになっちゃうから。
それでもやっぱり苦しい〜
それでもやっぱり苦しい 苦しい
貴方という海に溺れている
泳いでも もがいても 進まない
距離も関係も出典:「森のくまさん」作詞あいみょん
こんなにも彼への強い愛があっても、ずっと苦しいまま。どんなにもがいても、一向に彼との距離は縮まらないまま。
初めてブチギレた時の事を〜
初めてブチギレた時の事を
今更掘り返して死にそうになってる
腹が立ってたのは事実
それに悔しくてたまらなかった
都合よく使われて出典:「森のくまさん」作詞あいみょん
こんなにも好きなのに彼にはただの”都合のいい女”。そんな扱いにブチギレたのを思い出して、今になって死にそうになってる。でも、あの時は本当に悔しくてたまらなかった。
それからやっぱり悲しい〜
それからやっぱり悲しい 悲しい
貴方という森で彷徨って
歩いても 歳取っても 進まない この物語は
諦めがつくような出会いがあれば
私もすぐに乗り換えるかもしれないよ?出典:「森のくまさん」作詞あいみょん
私はずっと悲しいまま。貴方という森でひとり、ずっと歩いていても関係性が進むことはない。素敵な異性との出会いがあれば、貴方を諦められるのかもしれない。
こうして大嘘ばかりをついては〜
こうして大嘘ばかりをついては
何度も貴方を追いかけたわ
叫んでも 転んじゃっても おかまいなし(中略)
出典:「森のくまさん」作詞あいみょん
貴方を諦められるのかもって嘘をついては、なんども貴方を追いかけてる。叫んでも、転んでもおかまいなしに…
まとめ
”報われない”という美学
結ばれないからこそ美しい、ということもあるのかもなーとこの歌を聴いて感じました。当然のことながら、本人にとっては「結ばれて、報われた恋をしたい」と思うはず。でも、過去を振り返ってみると、意外や意外。「あの時、報われなかったからこそ今の自分があるんだ」って前向きになれる瞬間もまたあるもんなんですよね。
おまけ:あいみょんの言葉
“ハート”と“森のくまさん”の主人公が置かれている状況は、わりと一緒なんです。でも音楽や言葉のおもしろいところで、同じ状況に置かれていても、これだけ違う曲になるのはいいなあと思って
〜略〜
――あとね、サビ終わりの《進まない 距離も関係も》は、倒置法になってるじゃない? あいみょんは倒置法をよく使うんだけど、本当に上手だよね。
「国語は苦手だったんですけど、倒置法とかだけはできるんですよ(笑)。“森のくまさん”は、童謡の“森のくまさん”のイメージ。追いかけっこしてる感覚で、楽しみながら作った記憶がありますね」
――これは、さっき話してくれたように、“ハート”との主人公と置かれているシチュエーションはーー。
「わりと一緒。遊ばれているような、実ってない、叶ってないっていう女の子の状況だけど、ひとつの題材だけで、こんなに違う女の子を書けるって思うと、すごい楽しいなって思います。言葉の選び方で、こんなにも変わるんや、って。“森のくまさん”は暴力的(笑)。“ハート”は《起きてすぐ描くアイライン》、こっちでは《朝方乾いたファンデと口紅》。そういう、リンクする部分も、自然とあったりして、おもしろいかなって。“森のくまさん”は、10代の頃から作ってきた音楽な感じ。軽快な感じで辛いことを楽しく歌ってる曲は、今までも結構作ってきたので、こういう軸は全然変わってないなって、客観的に見ても思います。また、こんなだらしない女の子のこと書いてる、みたいな(笑)」